2024年の秋、橘 凛子ガル・アレンテージョ地方を訪ねました。コルク樫の森が広がるこの地域で、Rui Ferreiraという職人が小さな工房を営んでいます。コルクというと瓶の栓を思い浮かべる方が多いと思いますが、Ruiが作るのは文具や小物。素材の軽さと温かみを活かした、静かな仕事です。
コルクの収穫と乾燥 ¶
コルクはコルク樫の樹皮を剥いで作ります。樹皮の収穫は9年に一度しかできません。剥いだ後、木が回復するまでの時間が必要だからです。収穫した樹皮は屋外で最低6ヶ月、Ruiの工房では品質を高めるために9年以上乾燥させてから使います。乾燥が不十分なコルクは加工後に反りや割れが生じます。長い時間をかけることが、品質の基本です。
コルクを薄く削る技術 ¶
ブックカバーに使うコルクは、厚さ約2mmに薄く削ります。この工程には専用の刃物と経験が必要で、Ruiは20年以上この作業を続けています。薄く削ったコルクは柔軟性があり、折り曲げても割れません。Noble Lair Solitudeのブックカバーは文庫本サイズに対応していますが、コルクの柔軟性のおかげで、多少サイズが異なる本にも対応できます。
コルクの実用的な特性 ¶
コルクは軽く、水に強く、断熱性があります。ブックカバーとして使う場合、夏の屋外でも本が熱くなりにくいという実用的なメリットがあります。また、表面の細かい凹凸が滑り止めになり、手から落としにくい。重さは文庫本サイズで約40gです。素材の特性を活かした、余計なものを加えない設計です。
Noble Lair Solitudeとの出会い ¶
橘 凛子Ruiの工房を見つけたのは、アレンテージョのクラフトフェアでのことでした。「なぜ9年も乾燥させるのか」と聞いたとき、Ruiは「急いで作ったものは、すぐに壊れる」と答えました。その一言が、Noble Lair Solitudeの仕入れ基準と重なりました。現在、Ruiとは直接取引をしています。入荷は年に一度、秋のみです。
Rui Ferreiraのコルクブックカバーは現在店頭に在庫があります。夏の読書のお供に、ぜひ実物を手に取ってみてください。今季の棚に並ぶものはコレクションページでご確認いただけます。